擁壁安定化工事の現場から
先日完成をした擁壁安定化工事の現場からです。
元々の基礎支持力不足や擁壁の根入れがされていない問題があって、L型擁壁が前方に転び始めています。
そのため今までL型擁壁が抑えていた宅盤に緩みが生じ、建物にまで悪影響を及ぼしている状況でした。
なかなか有効な施工方法がみつからず、弊社にご相談を頂いた工事になります。
更に擁壁よりも低い位置を水路が流れていることもあって、水の流れが擁壁に悪影響を与えている箇所もありました。
今回の現場では、建物擁壁に近接し新しく擁壁を設置し直すスペースはありませんので、水路側の用地を有効に活用し、大型ブロックを抑えとして新設する方法を提案させて頂きました。
こうすることで、L型擁壁の動きを拘束することが出来るようになります。
また、維持管理する改良区さんとも相談をして、水路を上げることで擁壁根入れを確保し、且つ流水が地山にいたずらをしないように、集水桝・ヒューム管・水路も新設をしています。
これが完成後の写真になります。
既存擁壁の手前に大型ブロックの擁壁を新設し、水路もかなり上げて新設をしています。
桝と桝の間はヒューム管で接続し、今までのように水が悪さをするようなことも無くなっています。
今回の工事で擁壁を安定させることが出来ましたし、上部フェンスの再設置や敷き砂利も行って、綺麗な仕上がりとすることができました。
ここからは工事の状況写真を紹介します。
隣地の方の土地を使用させて頂いたお陰様で、無事に工事を進める事が出来ました。
心より感謝申し上げます。
このように擁壁の外側に大型ブロック擁壁を新設し、擁壁がこれ以上動かないように拘束をしていきます。
擁壁の裏側は、砕石でしっかりと転圧するようにしています。
水路の高低差がありましたので、桝とヒューム管を新設することで、写真のようにスムーズに水が流れるように配慮しています。
今回大きい方の桝は1.0×1.0×1.5mの寸法だったこともあり、現場打ちで築造しています。
大断面の桝だったので大変だったと思いますが、ブロック積み等も含めて、全て弊社の社員だけで完成をさせることができました。
多技能工として様々な仕事を経験しながら、日々苦労を糧に頑張ってくれている社員の皆さんは、会社としても大きな財産です。
本現場を最初に見た際には、施工スペース的にかなり厳しい現場でしたので、工事費用を抑えながら、どうすれば有効な対策が取れるのかとかなり悩みました。
既存擁壁の外側に擁壁を新設する考えや水路を上げることも含めて、今までの様々な経験が役立って今回のご提案をすることが出来ています。
かなり大変な状況でしたので、お客様にも心からの感謝を頂き、施工をした私達にとってもやり甲斐がある現場となりました。
ご協力を頂いた皆様のお陰様で、無事に工事を終えることができました。
本当にありがとうございました。
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