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2016年12月

2016年12月27日 (火)

路上再生工法の現場から

竣工検査まで無事に終えた、路上再生工法による舗装修繕工事の現場からです。

弊社として始めての路上再生工法だったので、協力業者の皆さんから様々に勉強をさせて頂きました。

 

このように傷んだ舗装と下の路盤とを、現場でセメント及び乳剤を添加して破砕混合し、強度が高い路盤を構築する工法になります。

また、所定の強度を満たした23cmの再生路盤を構築するのに最適なセメント量や乳剤量は、事前に資料を採取し室内試験によって決められます。

 

・着工前

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・完成

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路上再生工法の施工状況です。

事前に舗装上には計画された量のセメントを敷き均しおいて、路上再生工法用の乳剤を積載したローリー車が先行しながらスタビライザーに乳剤を供給し、写真のように既設の舗装・路盤を破砕しながら混合していきます。

・ローリー車(先行)及びスタビライザー(破砕・攪拌)

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本現場は生コン工場さんの出入りが関係する道路だったので、工場の休日に施工をすることで、極力営業にご迷惑が掛からないように配慮をさせて頂きました。

このように生コン車のような大型車が通行する道路なので、再生路盤が硬化するまでの期間も心配だったのですが、路盤まで出来てしまえば翌日に舗装をしても全く大丈夫な強度が発現するという話しでした。

 

確かに時間との勝負で、セメントも添加しているため翌日にはグレーダー削ることもできなくなるくらいの強度になっており、その日の内に改良範囲の路盤整正や転圧までを終えてしまう必要がありました。

・グレーダー不陸整正状況

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・転圧状況(マカダムローラー,タイヤローラー)

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こうした特殊な工法なので、各種品質管理が必要とされています。

これは自主管理ですが、全体散布量もセメント袋の空袋管理で行っています。

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ローリー車についても、現場施工前と後の積載重量を計測することで、現場での使用量を管理するようにしています。

こうすることで、工事で使用したセメント量や乳剤量も把握することができます。

下記から必須の品質管理になります。

 

・セメント散布量の試験

セメント板を用いて、単位面積当たりのセメント散布量を管理します。

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・乳剤散布量の管理

スタビライザーの施工速度によって、単位時間当たりの乳剤噴出量を調整しながら施工をしていきます。

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・基準密度試験

締固め密度試験の基準となる供試体を現場材料を使って作製し、これを元に現場での締固め密度試験を実施していきます。

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・現場密度試験

砂置換法により、再生路盤の締め固め密度を試験します。この時、上記の基準密度と現場での締固め密度とを比較し、管理をしていきます。

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・CAE一軸圧縮試験

一軸圧縮試験による許容値もあるため、現場で採取した材料を使って供試体を作製します。

これを用いて、室内試験で強度や変位量を測定します。

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・含水量試験

これも必須試験ですが、含水量を確認しながら最適含水比付近で施工が行われるように管理をしていきます。

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こうした様々な管理をしっかりと行っていくことで、所定の強度を満たす路上再生工法が実施されていきます。

 

本現場では、稲刈り終了後の施工や生コン工場の休日に合わせた本工事の実施など、地域状況にも配慮をさせて頂きました。 

生コン工場さんからも感謝の言葉を頂きましたが、私達にしても地域の皆様から全面的に協力を賜り、更には協力業者の皆様にもしっかりとした仕事を実施して頂いたことで、スムーズに工事を完成させることができました。

これもお世話になった皆様のお陰様です。本当にありがとうございました。

2016年12月 5日 (月)

擁壁安定化工事の現場から

先日完成をした擁壁安定化工事の現場からです。

 

元々の基礎支持力不足や擁壁の根入れがされていない問題があって、L型擁壁が前方に転び始めています。

そのため今までL型擁壁が抑えていた宅盤に緩みが生じ、建物にまで悪影響を及ぼしている状況でした。

なかなか有効な施工方法がみつからず、弊社にご相談を頂いた工事になります。

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更に擁壁よりも低い位置を水路が流れていることもあって、水の流れが擁壁に悪影響を与えている箇所もありました。

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今回の現場では、建物擁壁に近接し新しく擁壁を設置し直すスペースはありませんので、水路側の用地を有効に活用し、大型ブロックを抑えとして新設する方法を提案させて頂きました。

こうすることで、L型擁壁の動きを拘束することが出来るようになります。

また、維持管理する改良区さんとも相談をして、水路を上げることで擁壁根入れを確保し、且つ流水が地山にいたずらをしないように、集水桝・ヒューム管・水路も新設をしています。

 

これが完成後の写真になります。

既存擁壁の手前に大型ブロックの擁壁を新設し、水路もかなり上げて新設をしています。

桝と桝の間はヒューム管で接続し、今までのように水が悪さをするようなことも無くなっています。

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今回の工事で擁壁を安定させることが出来ましたし、上部フェンスの再設置や敷き砂利も行って、綺麗な仕上がりとすることができました。

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ここからは工事の状況写真を紹介します。

隣地の方の土地を使用させて頂いたお陰様で、無事に工事を進める事が出来ました。

心より感謝申し上げます。

 

このように擁壁の外側に大型ブロック擁壁を新設し、擁壁がこれ以上動かないように拘束をしていきます。

擁壁の裏側は、砕石でしっかりと転圧するようにしています。

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水路の高低差がありましたので、桝とヒューム管を新設することで、写真のようにスムーズに水が流れるように配慮しています。

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今回大きい方の桝は1.0×1.0×1.5mの寸法だったこともあり、現場打ちで築造しています。

大断面の桝だったので大変だったと思いますが、ブロック積み等も含めて、全て弊社の社員だけで完成をさせることができました。

多技能工として様々な仕事を経験しながら、日々苦労を糧に頑張ってくれている社員の皆さんは、会社としても大きな財産です。

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本現場を最初に見た際には、施工スペース的にかなり厳しい現場でしたので、工事費用を抑えながら、どうすれば有効な対策が取れるのかとかなり悩みました。 

既存擁壁の外側に擁壁を新設する考えや水路を上げることも含めて、今までの様々な経験が役立って今回のご提案をすることが出来ています。

かなり大変な状況でしたので、お客様にも心からの感謝を頂き、施工をした私達にとってもやり甲斐がある現場となりました。

  

ご協力を頂いた皆様のお陰様で、無事に工事を終えることができました。

本当にありがとうございました。